「福音の風」  牧師 小林 光生2017年01月29日

 遠藤周作原作の映画「沈黙(サイレンス)」を小林和子牧師と一緒に見てきた。敬老割引で大分安くなったが結構の値段であった。江戸初期における長崎でのキリシタン迫害の中で、「神はなぜ沈黙されるのか」というテーマである。
 話題作であると同時に問題作でもあると思う。この原作の「沈黙」という本は出版された時にカトリックでは「読んではだめ」との通達がなされたという。私も学生時代に読んで「カトリック信徒である遠藤周作がなんで後口の悪い書き方をしているの?」という疑問をもったものだ。
 映画の中では、迫害の中で傷む宣教師ともう一人の主人公ともいえるキチジローという人物が描かれている。キチジローは、難を逃れるために踏み絵をすぐに踏んでしまう。彼は宣教師を裏切ってしまうのだが、何回もやってきては「告解、懺悔を聞いてくれ」と叫び求めるのだ。やがて宣教師もみんなが逆さ吊りにされているのを見かねて踏み絵を踏んでしまう・・。
 残虐なシーンが長く続くので、子どもには見せられないし、そういう面でも要注意である。しかし、映画の最後の場面では(内容は書かないが)次のような神からの語りかけが聞こえる感じがした。「いくらつまずいても、ころんでも、わたしはお前と共にいるんだよ。」これは、原作以上にこの映画監督からのメッセージではないかと思った。