「福音の風」(12/24) をアップしました。2017年12月24日

福音の風  小林光生牧師

倉敷の大原美術館のお宝作品はエル・グレコの「受胎告知」である。これはマリヤが天使より「あなたは救い主イエスを胎に宿す」ということを告知された場面の絵である。解説書を読んでみた。「エル・グレコは反宗教改革の時代に生きており、天使とマリヤとの視点の交錯とその神秘性こそ、全体の構図の中心がある。」とあった。
 大原美術館で本物を見たことがあるが、構図を覚えていないので、解説書の絵を改めて見てみた。今回、注目したのがマリヤと天使の手である。天使の左腕は白百合を抱え、右腕は天に向けられている。マリヤの右手は挙げられて天使を迎え、しっかりと「お告げ」を聞くのである。受胎告知は、ことばを通じてである。
 今年は宗教改革から500年ということだ。かつては宗教改革と反宗教改革という対立したカトリックとプロテスタントであるが、長崎のカトリックでこの宗教改革を記念しての共同ミサが開かれたという。プロテスタントはルーテル教会からの出席で合わせて1200人が集い、同じ福音書を朗読して、賛美歌を歌った。
 「受胎告知」が描かれた時代背景を考える事も大切だ。しかし、天使を通じて語られた「ことばを聞く」ということにおいて、この絵はカトリック、プロテスタントを含めたキリスト者全体の宝であると思った。