礼拝説教「上に立つ権威」2021年10月03日

すべての人は、上に立つ権威に従うべきである。なぜな ら、神によらない権威はなく、おおよそ存在している権威 は、すべて神によって立てられたものだからである。ロー マ人への手紙13 章1 節

これを、今日の中心聖句としたい。ここでの<権威とは> パウロがおかれたローマ帝国での政治を含めての上に立つ ものに<従う>ことを教えている。  この聖書の箇所が政治的に誤って使われた歴史がある。そ れは、ナチス・ドイツがユダヤ人殺害などの時も「俺たちの 言うことを聞け、聖書にも上に立つ権威に従えとあるじゃあ ないか」というような間違ったものである。

このところを解釈するカギのことばとして、今回4 節に注 目してみたい。「権力は、あなたに善を行わせるために、 <神に仕える者>なのです。」(共同訳)とある。「神に仕 える者」は直訳すると「神の奉仕者」であり、口語訳では< 神の僕(しもべ)>であると宣言しているのだ。

パウロが置かれた時代は、キリストを信じる者への反対運 動が盛んなときに、「権力は神に仕える者だ」ということは 「楽観的すぎない}とも思えものであり、驚かされる。

キリスト者であった内村鑑三は、教師時代に教育勅語に対 する拝礼が不十分だという「不敬事件」で訴えられた。その 後に「後世への最大遺物」という主題で講演した。「世の中 は悪魔ではなく、神が支配するものである。失望ではなく希 望があるのが世の中である。悲しみではなく喜びに満ちた世 の中である。」全く暗い時にも神の恵みの支配を宣言し、 「勇ましくて高尚な人の一生」への希望を語ったのだ。