礼拝説教「試みに合わせず、悪よりお救いください」2020年05月03日

このウイルス危機にあるこの時に主の祈りからメッセージをさせて頂きます。主の祈りは、毎週の礼拝や様々な時に祈られま
す。しかし、「危機の時」での祈りでもあるのです。

まず最初に、主の祈りは「天にいますわれらの父よ」との呼びかけに始まっています。その後に、「御名があがめられますよう
に」に始まり、父なる神への祈りがささげられています。その後に「わたしたちの日ごとの食物を、きょうもお与えください。」と、私た
ちが必要としていることへの祈りがささげられています。
その私たちが必要としている最後に、この「試みに合わせず・・・」が祈られるのです。
「国と力と栄えとは限りなくなんじのものなればなれ」という祈りは、福音書では出てきません。これは、主イエスが、弟子たちに
教えられた主の祈りと共に、初代教会で共にささげられた父なる神への信仰告白であり、祈りでしょう。
この主の祈りが、初代教会で祈られるとき、ローマ帝国が教会を迫害していたのです。そのような中で、国と力と栄えは、ローマ
帝国にではなくて、父なる神の恵みの支配にあるのですと告白したのです。いわば、命がけの、信仰告白、祈りであったのではな
いでしょうか。私たちも新型コロナ・ウイルスの支配に、この国があるように思われるときにこそ、父なる神さまへの信頼の祈りが与
えられるように祈りましょう。
「試みに合わせず、悪よりお救いください」という祈りはどのような祈りでしょうか。それは、「父なる神さま、私たちを助けて下さ
い」という祈りです。「自分は大丈夫だ」ではないのです。
私たちをダメにしてしまう試み(誘惑)があるのです。また私たちをダメにしてしまう悪に取り囲まれているのです。
口語訳聖書では「悪しき者からお救いください」ですが、「悪よりお救いください」というなっている翻訳があります。
この「悪しき者」は他の人から受ける私たちをダメにしてしまうことばや行動が心に浮かびます。このコロナ危機の時も、ひどいこ
とばがあふれています。
それと同時に自分自身の中にも自分や人をダメにしてしまう「悪」そのものがあるのです。フランスの作家でカミュという人が書い
た「ペスト」という本を読んでいます。その中で「だれでもめいめいのうちにペストをもっているんだ。誰一人、まったくこの世に誰一
人、その病毒を免れているものはないからだ。」とあります。
私たちはこのような危機の時にこそ、生活の中でこの主の祈りを祈りましょう。
(祈り)
私たちの天の父よ。今この時私たちを、この日本を、世界を助けてください。悪よりお救いください。